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加茂暁星高等学校様
「無理だと思っていた、、、」看護専攻科5年対応が実現
- 独自性の強い看護専攻科5年一貫対応
- 高校は3学期制だが専攻科は前後期制
- 他の会社では対応できなかった
学期制も教科も異なる高校と看護専攻科を一つのシステムで
2020年に創立100周年を迎えた加茂暁星高等学校(西村香介校長・新潟県)の特徴の1つが、3年間の看護科(高校)と2年間の看護専攻科を併設した5年一貫の看護師養成課程がある点だ。高校3年間と専攻科の2年間は科目も学期も異なるが、そのデータを連携し、生徒の欠時情報も一覧表示する等、独自の仕組みを構築。同様の仕組みを持つ高等学校から問い合わせが届くという山本泰裕教頭に、同校の校務情報化について聞いた。
◇看護科5年一貫課程
2002年度から、3年間の高等学校看護科と2年間の専攻科を合わせた看護師養成課程「看護科5年一貫課程」を新たに創設。2020年現在、公立・私立あわせて全国で79校が取り組んでいる。看護師養成5年一貫課程は専門科目89単位以上(うち臨地実習26単位以上)。看護科5年一貫課程の卒業生は、看護師国家試験受験資格が得られる。2020年3月卒業生国家試験合格者数のうち5年一貫校卒業生は3257人(既卒合格者172人含む)。
導入前の状況
高校と専攻科で基本データがバラバラ
当初、成績処理は紙ベースで手書きの転記の連続で、「正」の字で出欠情報を換算していました。
成績情報は、科目担当がクラス担任に渡し、一覧表に転記。さらにそれを通知表、調査書、指導要録に手書きで転記していました。
2000年頃にエクセル処理による成績管理を始め、教務主任として校務の情報化を担当した際は、マクロを組み、担任が成績を入力すれば通知表の元データができるようにするなど可能な限り連携するようにしたものの、それでも入力が何度も必要でした。指導要録も手書きによる転記であるなど限界がありました。
また、本校では、進級には3分の2以上の出席が必要です。
科目担当が入力した欠時情報と担任が把握している情報に違いがあったり、ある生徒が学期末の集計で初めて進級できないことを担任が把握したり、などの問題もありました。
また、看護科・看護専攻科は、5年一貫教育ではありますが、高等学校3年間と専攻科2年間があり、入学時の基本データを5年間引き継ぐことができない、という課題もありました。
導入の決め手
看護科5年一貫課程のデータ連携
山本泰裕教頭
これらの課題を解決しようと考え、2014年度から校務の情報化に着手しました。
各学年で、科目担当が成績を入力すれば通知表や指導要録まで連携できるようにすること、看護科5年一貫課程でデータ連携ができることを必須要件としました。
校務支援システムを提供している10社程度と情報交換をしたところ、カスタマイズができなかったり、希望する仕組みのカスタマイズ料金が予算をはるかに超えたり等で、すぐには決まりませんでした。
最も難しかったのが、看護科5年一貫課程のデータ連携です。
本課程では一貫教育により最短で看護師国家試験の受験資格が取得できますが、看護科と看護専攻科は様々な点で大きく異なります。
高等学校は3学期制ですが専攻科は前期・後期制です。扱う教科も異なり、評価の仕組みも基準も違うため、高等学校の仕組みをそのまま流用できません。また、専攻科は実習が大変多く、日々まめにデータ入力することが難しい、という面もあります。
これに対応できたのがウェルダンシステムで、カスタマイズ料金も予算に適合していたため、導入を決めました。
進級に必要である欠時情報についても、担任がアナログで「正」の字を書いて換算する、ということがないようにデータ化を進めるなど、初めてのシステム構築ということで試行錯誤しながら2015年度に構築。2016年度から本格稼働することができました。
導入後の変化
転記や手書きから解放
導入当初は質問が多かったものの、教職員は「何度も転記・手書きする」ことから解放される、と興味津々で、導入当初から積極的でした。
特に専攻科では、担任の負担はとても大きいのです。講議は医師や看護師が行いますが、成績処理は担任が行うからです。
システム導入により成績や出欠情報は日々蓄積されていくため、通知表作成の際、担任はコメントを入れて印刷するだけになり、担任の仕事量が大きく改善しました。
欠時情報も、入力するだけで自動計算され、一日の出席記録を担任が一覧できるようにしています。
さらに欠席時数が一定数を超えたら黄色くアラート表示するので、迅速に対応することができるようになり、担任は、自分のクラスの生徒の出席状況を責任持って管理することができます。
専攻科への進級時も、卒業認定のボタンを押せば基本情報はそのまま引き継ぐことができます。クラス替えの際はCSV出力で修正しています。
今ではあって当たり前の仕組みに
日々の業務がスピードアップし、導入して6年経過した今は「あって当たり前」の仕組みになりました。また、同じような課題を持つ他校から視察が来るようになりました。
看護科5年一貫課程のように特殊な仕組みを持つ学校では、カスタマイズが求められます。ウエルダンシステムでは細かい修正についても相談しやすく、導入後も追加の仕組みを依頼しています。
本校は寺院が母体となって創立した学校であり、特別活動の中に「静坐」の時間を設けています。毎朝行っており、5回で1時間欠席と換算しています。それもシステム化しました。
今後も使い勝手を高めるためのバージョンアップを予定しています。
スクールマスターZeus:
看護専攻科5年対応版
ウェルダンシステム(東京都中野区)の柏野慎也社長は「加茂暁星高等学校には単なるカスタマイズではなく、5年一貫教育を採用している他校にも導入できる新たなパッケージとして開発したい、と考えて構築しました。加茂暁星高等学校のおかげで他校にも提供できる画期的な仕組みを開発することができ、看護科5年一貫課程を持つ他校からの問い合わせや導入が増えています」と話す。
今後も各校ニーズや高等学校の制度改正に向け、積極的に対応していく予定だ。