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立命館守山中学校・高等学校様
スクールマスターで入試DXを実現!3年間で中学入試の志願者が2倍!
- 入試のミスゼロ・超勤ゼロで学園から表彰を受ける
- 3年間で入試偏差値も2・6アップ!
多様な入試の判定資料もスクールマスターで自動出力
2007年の開校当初より文部科学省より「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」の指定を継続して受けており、理数教育やICTを活用した学びに注力している立命館守山中学校・高等学校(通称「りつもり」)。数年かけて入試改革を行い、中学校入試の志願者数が約2倍になったという。同校の入試改革とそれを支えた仕組みについて箭内健副校長(入試担当)、山本全康入試広報部長、事務室の甲平誠之氏に聞いた。
導入前の状況
入試の多様化で入試業務が膨大に
多様な人材を確保したいという考えから、開校当初より、学科入試と共に自己推薦入試等を取り入れています。しかし、滋賀県内の私立中学校の初日受験率は約3%程度ということもあり2013年度の中学校入試で志願者が定員2倍に至らなかったことから「多様な人材を見つけ出す」方針で中学校入試の見直しと改善に着手しました。
まず、自己推薦入試「かがやき21」(活動歴・自己PR動画・面接・作文)をブラッシュアップ。筆記試験は3科目・4科目の選択制で、英語選択も可能とし、午後入試、後期入試、適性検査入試を行うなど、「可能性があることはすべて行う」方針で進めました。当時は採点・集計や資料作成もほぼ手作業で行っていたため、入試方式の拡大に伴い入試に関する事務量は膨大になります。2018年度に合格判定ミスや問題配布ミスが出たこともあり、多様な入試を継続・発展させるためにも、教育DXが必須であると考えました。
導入の経緯
入試業務のDXに着手 新しい仕組みを1つずつ
左から山本全康入試広報部長、箭内健副校長、事務室の甲平誠之氏
組織変更・Web出願 デジタル採点から着手
ICT活用は本校の教育の柱の1つであり、入試業務のDX化についても同意を得られ、2018年度から着手。まずは一部の教員の負担を軽減するため、組織体制を変更しました。DXのためには、全体の総意が必要です。入試部の人員を増加して「入試広報部」とし、従来の入試部、総務部、情報メディア部、事務と管理職で一体化した運用を開始し、週1回・年40回の会議で意思疎通を図りました。
入試日程も変更。2日間の日程を3日間に分散して会場を本校の大会場に集中して試験監督はスクールサポートスタッフを中心とし、教員が採点業務に集中できるようにしました。
同時にWeb出願システムを導入。現在は広く導入されていますが、当時としては滋賀県で2校目の試みでした。
翌年には採点業務をデジタル化。これは、通常の授業で活用しているシステムを入試にも利用することとしました。
導入の決め手
多様な入試の判定資料が自動出力できる
最も負担が大きかったのが、判定資料の作成です。当初はExcelで作成しており、関数が複雑で作業できる教員が限られており、データ統合や照合に時間と人手が必要で、この部分のDX化に役立つ製品を探していました。
2019年度のEDIX(教育総合展)で該当する製品を探したところ、私立高校の複雑な入試業務を提案しているのは「スクールマスターZeus」のみでした。そこで相談し、その3か月後には本校の独自入試を想定したサンプル版が届き、検証を経て導入を決定。11月から年末までに6回程度打合わせて細部を調整し20年度中に構築。21年度の入試(21年1月実施)より活用とほぼ1年で稼働を開始することができました。
導入後の変化
ミスゼロ・超勤ゼロで表彰 学校偏差値も2・6アップ
採点終了後、約1時間で判定会議をスタート
入試当日は、試験終了後にデジタル採点支援システムで採点。採点システムからフローに沿って画面を切り替え、スクールマスターにデータを入力すると合格判定資料が1分程度で出力されます。圧倒的に速く、採点終了後、1時間程度で判定会議をスタートすることができました。
本仕組みの導入により、願書の受付から点数入力、面接、合否判定、合格発表、入学許可までの流れを簡単に管理でき、学校独自の様々な入試制度(合否シミュレーション、スライド合格、面接や様々な加点処理)への対応や、得点や偏差値の分布・入試区分や学科コースごとの集計などにも活用できるようになりました。この3年間の取組で、志願者数は約2倍、入試偏差値も2・6アップしています。
サポートの手厚さがシステムの発展に寄与
本取組は立命館グループで「職員業務DX」の取組として22年1月に表彰も受けました。ミスゼロ・超勤ゼロの取組は、他校からは「魔法のようだ」と言われています。
本仕組みは、一から新しいものを構築したわけではなく、既存の様々な仕組みを本校にフィットするようにコーディネートしたものです。
システム選択のポイントは、サポートの手厚さにあります。サポートが手厚いと、その後のバージョンアップもスムーズに進みます。今年度は高等学校の専願入試で「試験得点:内申点∥7:3」の判定方式に変更しましたが、サポートも迅速ですぐに実現することができました。
今後は、
入試データをその後の学びに活かす
当初は、入試という数日間の作業に多くの予算を費やすべきなのか、という声もありましたが、ミスが許されずスピードが求められるのが入試業務です。
さらに本仕組みをプラットフォームとして、入試データをその後の6年間の学びや評価、指導など「学びのDX」にも挑戦できると考えています。
英語入試で入学した生徒がその後どのような伸びを見せているのか等の分析も可能です。生徒それぞれの得意なことや興味があることを分析し、高校のコース分けや大学の推薦入試への準備など、様々な可能性が考えられます。自己推薦のPR動画は興味深いものも多く、現在挑戦している新しい課外活動等の成果をここに統合することも考えられます。
入試改革から学びのDXへ、さらに新たな挑戦を進めていきたいと考えています。